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2017年、夏、熊本

今回のThanksgiving 25ツアーで唯一、札幌は終始メモ書きしながらライブを見ていて、この曲の時はイントロ入る前から涙を流していて、そんな中書いたのでメモの所々が滲んでいて、一部読めないところもあり、間違っているところもあるかもしれないけど、ようやく書き写した。

 

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【MC】

どうもありがとう。

 

曲選ぶときにさ、なるべくみんなが知ってる、それからMr.Childrenの曲をあんまり聞いていない人も、この機会にやるから、ドームでやるから、ちょっといってみようかな?って人も楽しめるような、そういう誰もが知っている選曲を心がけたんですけども、でも次にお届けするのは、初めての人は恐らく知らない曲かもしれないです。

 

たけど、僕らにとって大事な、旅のことを歌った、人と出会うことを歌った、愛することを歌い、家族を歌い、平和を歌い…そんな、一曲の中で色んなことを歌ってる、人生という名の旅の歌かもしれないです。

 

大事な曲、お届けします。

 

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Mr.Children 1999年、夏、沖縄

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【歌】

僕が初めて沖縄にいった時

何となく物悲しく思えたのは

それがまるで日本の縮図であるかのように

アメリカに囲まれていたからです

 

とはいえ94年、夏の沖縄は

Tシャツが体にへばりつくような暑さで

憂鬱なことは全部夜の海に脱ぎ捨てて

適当に二、三発の恋もしました

 

ミンミン ミンミンと蝉が鳴いていたのは

歓喜の歌かそれとも嘆きのブルースか

もはや知るすべはないがあの蝉の声に似たような

泣き笑いの歌を奏で僕らは進む

 

いろんな街を歩き いろんな人に出会い

口にしたさようならは数しれず

そして今想うことは 大胆にも想うことは

あぁ もっともっと誰かを愛したい

 

酒の味を覚え初めてからは

いろんなモノを飲み歩きもしました

そして世界一のお酒を見つけました

それは必死で働いた後の酒です

 

戦後の日本を支えた物の正体が

何となく透けて見えるこの頃は

平和とは自由とは何か 国家とは家族とは何か

柄にもなく考えてたりもしています

 

生まれた場所を離れ

夢からも遠くそれて

あぁ僕はどこへ辿り着くのだろう

今日も電車に揺られ 車窓に映る顔は

そうほんのちょっとくたびれているけれど

 

神は我等を救い賜うのでしょうか

それとも科学がそれに代わるのでしょうか

永遠でありたいと思うのは野暮でしょうか

全能でありたいと願うのエゴでしょうか

 

時の流れは速く

25年が経ったけれど

あぁ僕に何が残せると言うのだろう

変わっていったモノと 今だ変わらぬモノが

あぁ 良くも悪くもいっぱいあるけれど

 

【MC】

そして2017年、6月17日、札幌…札幌楽しんでますか?

 

お陰様で、この日を迎えることができました…お陰様で、25周年です。

 

デビューした時、まさかこんな日がくるとは思ってませんでした。

 

僕らと同じ世代の人なら覚えてると思うんだけど、昔、ノストラダムスの大予言っていうのがあって、それは、1999年に世界が滅亡するっていう、まことしやかな予言で、ミュージシャンである自分にとっては、好きなだけやりたいことはやって、1999年に世界が滅亡するのはある意味、ラッキーだと思って…何かそのノストラダムスの大予言を信じて生きてました。

 

でも、1999年になっても、2000年になっても、2001年になっても世界は滅亡しなくて、気がつけば2002年、ちょうど僕らががデビューして10周年にあたる年になってました。

 

その時も、今日と同じように、多くの人に「10周年おめでとう」って言われてたんですけど、その頃の僕らは若かったし、素直じゃなかったし、いっとき多くの人達がMr.Childrenの音楽を聴いてくれていても、いずれ、どんどん時間が経つにつれ、ファンって離れていくもんだと思っていてました。

 

だから、10周年を迎えたその時に、ある人から、「10周年どんな気持ちですか?」って聞かれたときも、「そういうのはレコード会社や事務所が話題つくりのためにやってるだけで、僕らはただ、1日1日、必死に生きていくだけです。」そんな風に答えてました。

 

でも、10周年を過ぎると、もうあっという間に時間は過ぎていき…気がつけば今、2017年、25年周年です。

 

昔、いずれすぐに離れて行ってしまうと思っていたリスナーの人、ファンの人、今こうやって会場を見渡せばわかるように、未だにこんなに多くの人が僕らの音楽に耳を傾けてくれ、ライブに足を運んでくれる…こんなに嬉しいことはないです。幸せなことは…ないてす。

 

でも同時に、いつまで自分達はこうやって楽しく元気に演奏して歌を歌い続けていられるんだろう?って、そんな風に考える機会も増えました。

 

同じ世代のミュージシャン、友達、近しい人か病気になったり、亡くなっていったり… だから尚更…こうしてここにいる時間、みなさんと一緒に過ごす時間、Mr.Childrenとしてステージに立ってるこの時間を嬉しく、愛おしく思います。

 

そして10周年の時とはまた違った意味で1日1日を、1曲1曲を、ワンフレーズワンフレーズを大事に大事に過ごして奏でていきたいと思っています。

 

今日は本当にどうもありがとう。

 

 

【歌】

最後の曲が終わり

音がなり止む時

 

僕はそこで何を思うのだろう

選んだ路とはいえ

時に険しくもあり

些細な事で僕らは泣き笑う

 

いろんな街を歩き

いろんな人に出会う

これからだってそれはそうなんだけど

そして今想うことは たった一つ想うことは

あぁ いつかまたこの街で歌いたい

あぁ きっとまたあの街でも歌いたい

あぁ そして君にこの歌を聞かせたい